「人材派遣の営業の仕事内容が知りたい」「きつい仕事なのかな」「どうやって成果を出すの?」と考えていませんか。
人材派遣会社の営業は、企業と派遣社員をつなぐ橋渡し役です。
本記事では、大手人材会社で営業本部長賞・新規開拓賞を受賞した女性元営業が、仕事内容の流れと成果を出す工夫について体験談を交えながら解説します。
人材派遣営業とは?企業と派遣社員の橋渡し役
人材派遣業とは、自社に登録している派遣社員を企業に紹介し、就業につなげる事業のことです。
営業職として働くことで、人材を求める企業と仕事を探す人の橋渡しができます。
求職者には、「フルタイムで働くのは難しい」「土日は休みたい」「残業のない職場がいい」とった多様なニーズがあります。
営業担当は、こうした求職者ひとり一人のニーズに合う就業先を紹介し、求職者の希望にそった働き方の実現に貢献します。
また、人手不足に悩む企業へ派遣社員を紹介することで、事業拡大をサポートできます。
人材派遣の営業職の仕事内容(アポ → 面談 → 紹介 → フォロー)
人材派遣の営業のおもな仕事は、自社の派遣スタッフの派遣先を見つける新規開拓営業と、すでに派遣スタッフが就業している企業との関係を深める深耕営業です。
そのほかにも、ニーズにあった派遣社員を見つけるマッチング業務や、派遣社員と企業の面談に同行する業務などがあります。
それぞれ、くわしく解説します。
1. 営業活動
人材派遣の営業のおもな仕事は、営業活動です。
営業には、新規開拓営業と深耕営業(ルート営業)の2種類があります。
マッチング業務は、コーディネーターという専任のスタッフが行う企業もありますが、営業が行う企業もあります。
1-1. 人材派遣の新規開拓営業(営業電話・飛び込み営業も)
新卒や中途で入社したばかりの営業は、新規開拓営業を任されることが多いです。
| 新規開拓営業の仕事内容 | やり方 |
| 今まで取引のない企業に営業し、派遣ニーズを開拓する | ・電話営業(テレアポ) ・飛び込み営業 ・他部署からの紹介 ・DM送信 ・インターネット広告 |
新規開拓営業は、電話営業や飛び込み営業などで、新規のお客様を開拓するのが仕事です。
企業に訪問した際の商談は、商談内容にもよりますが1社につき約1時間くらいが目安です。
最初の商談では、会社と事業の概要を説明して、企業の課題を聞き、派遣活用の可能性を提案するのが基本の流れです。
人材派遣の営業のトークスクリプト(台本)は上司や教育係の先輩が教えてくれます。
あと、他部署の先輩と同行営業(先輩の営業にくっついて一緒に営業に行く)ときに、「こういうトークをしたらいいよ」とアドバイスくれることもあります。
私の場合、人材派遣の営業に配属された当初は、電話営業や飛び込み営業を中心に行っていました。
入社から半年くらい経つまでは、多い時で電話営業は1日100~200件、飛び込み営業は1日20件ほどしていた記憶があります。
入社して半年くらい経ったら、電話営業や飛び込み営業をせずとも、ご挨拶にうかがえる企業ができ始めたため、電話営業や飛び込み営業をする頻度は下がりました。
1-2.深耕営業(ルート営業)
入社して半年くらい経ち、取引先が増えてきたら深耕営業をする機会が増えてきます。
また、入社時に前任者から取引先を引き継ぐ場合は、最初から深耕営業が中心になるケースもあります。
| 深耕営業の仕事内容 | やり方 |
| 取引のある企業に訪問し、信頼関係を深める | 取引先に電話してアポイントを取り、訪問 |
取引先に電話でアポを入れてから訪問し、派遣社員の就業状況を確認して希望をヒアリングし、派遣社員の増員の提案などを行います。
深耕営業では、派遣社員が就業している現場を訪問するので、派遣社員と企業担当者、現場の社員との関係性や、職場の状況が直接把握できます。
トラブルや改善点に早く気づきやすく、信頼関係を築きやすいと感じました。
派遣社員さんに電話で「今の職場どうですか?」と聞くと、多くの場合は「大丈夫です。みなさん優しいです」と返答があります。
でも、実際に訪問してみると、“大丈夫”にするために、本人がかなり頑張ってくれていることに気づくことがあります。
こうした点を把握できるのも、現場を訪問する大切な理由です。
1-2. マッチング業務
営業は企業から「派遣社員に来てほしい」とご依頼を受けたら、採用担当者から、必要としているスキルや人柄をヒアリングします。
その上で、コーディネーターと連携して派遣社員を探します。
会社によっては、営業がコーディネーターも兼任し、マッチング業務まで担当することがあります。
私が営業をしていたとき、企業と派遣社員のマッチングを成功させるには、派遣社員が「どんな企業で働きたいか」を把握することが大切だと感じました。
ざっくりした会社概要や業務内容だけでは、仕事に興味を持ってもらえないことがあります。
派遣社員さんが職場に求めるキーワードはいくつかあるので、事前に企業からその情報を聞き出しておくことが大切です。
たとえば、以下のような情報をつたえると派遣社員は前向きに就業を検討してくれました。
- 「東証プライム上場」などの会社の規模感が分かる情報
- 「地域で1番大きい駅から徒歩圏内」という通勤情報
- すでに自社からの派遣社員が就業しているという職場環境の情報
なお、営業がマッチング業務を行わず企業対応に専念する会社では、派遣社員の細かな希望を直接把握できないことがあります。
その場合、社内のコーディネーターと密にコミュニケーションを取り、派遣社員のニーズを拾い上げることが大切です。
2.企業と派遣社員の面談に同行する
企業と派遣社員さんとの面談に、人材派遣の営業が同行します。
面談前には、派遣社員さんにあらためて業務内容を詳しく説明し、認識に違いがないか確認し、不安を和らげるよう心がけます。
面談中は、企業側に派遣社員さんの魅力が伝わるようサポートすることも多いです。
派遣社員さんによって、面談時に営業にしてほしいフォローはさまざまです。
「企業からスキルを期待されすぎたらプレッシャーになるので、あまりアピールしてほしくない」という方もいれば、「大企業なのでぜひ就業したいけど、自分では自己アピールが苦手だから営業担当のあなたから伝えてほしい」という方もいます。
派遣社員さんが望む“アピールのさじ加減”を尊重しながらサポートすることが大切です。
3.派遣社員さんの就業中のフォロー
面談で企業と派遣社員さんのニーズがマッチしていることが確認できたら、いよいよ就業開始です。
就業後のフォローは、人材派遣の営業にとって非常に重要な業務です。
営業担当は、派遣社員さんが職場で困っていないか、また企業側が派遣社員の働きぶりに不安や不満を感じていないかを定期的に確認します。
企業から「もっとこうしてほしい」という希望が出たり、派遣社員から「職場の環境を改善してほしい」という要望が寄せられたりするため、その調整役になるのが営業の役割です。
時には、双方の板挟みになり、不満のはけ口のような立場になることもあります。
特に、営業担当が業務内容や必要なスキルを正しく伝えきれていないと、「思っていた仕事と違う」といったトラブルにつながるため、最初のヒアリグが大切になります。
営業は、派遣社員の「時給アップの交渉」を行うこともあります。
多くは派遣社員から相談を受け、営業担当が企業へ条件改善を依頼する流れです。
大手企業の場合はスムーズに対応してくれるケースも多く、私が担当していた頃は就業後の3ヶ月くらいで50~100円程度アップすることもありました。
一般的には、就業から1年で50円くらい上がることが多いようです。
時給が50円アップすると、1日8時間勤務で月20日勤務の場合、月収8,000円で年収96,000円の収入アップです。
4.営業事務がいない場合は事務作業も担当
会社によっては、人材派遣の営業が営業事務まで兼任することがあります。
おもな事務作業は以下のとおりです。
- 見積書作成
- 契約書に押印
- メール対応
これらの書類はフォーマットが用意されていることが多く、基本的には数字を入力して押印するだけのシンプルな作業です。
営業事務がいる会社では、これらを事務スタッフが担当してくれる場合もあります。
事務作業は、日中の営業活動が終わって帰社してから行うことが多いです。
会社によっては、営業の合間に帰社して事務作業の時間を確保できるところもあるかもしれません。
ただ、基本的には日中は営業で外に出ていることが中心です。
営業事務がいない場合でも、電話対応はコーディネーターが引き受けてくれる体制が構築されていたりして、営業は対外活動に専念しやすい環境が整っている会社もあります。
「今の派遣会社は業務量多すぎ?」「競合他社と比べて給料安い?」と感じたら、求人サイトで人材派遣の営業の仕事をチェックするのもおすすめです。
リクナビとマイナビの賢い使い分けについては、元トップセールスである筆者がこちらで詳しく解説しています。
1日のスケジュール
人材派遣会社の営業の1日のスケジュールを紹介します。
あくまで、一般的なスケジュールの例です。
9:00 出社・メールチェック・電話営業(テレアポ)
10:00 外回り(新規営業・深耕営業・面談同行)
12:00 昼食
13:00 外回り(新規営業・深耕営業・面談同行)
17:00 帰社・事務作業・打合せ
19:00 退社
当時の私のスケジュール例も紹介します。
9:00 出社・メールチェック・電話営業(テレアポ)
出社後はメールや当日の予定確認です。アポが入っていたら営業に行くこともあります。入っていなければ、テレアポで新規開拓をしたり、既存のお客様に電話して予定を入れたりします。
10:00 外回り1社目
お客様のところへ営業に行きます。派遣社員がまだ就業していない企業のところにも、ご挨拶でうかがいます。
11:30 外回り2社目
12:30 昼食
ランチは基本的に一人です。商談が終わったタイミングでお昼をとるので、時間は前後します。
14:00 外回り3社目
15:30 外回り4社目
16:00 外回り5社目
17:30 帰社・事務作業・打合せ
見積書作成・翌日以降に訪問する企業のリサーチ・営業先候補の下調べなど。会議が入ることもあります。お客様がOKなら、17時にアポイントを入れてお客様のところに訪問することもありました。派遣社員に電話して、近況をうかがうこともあります。
X時X分 退社
その日の進捗を整理し、翌日の訪問スケジュールを確認して退社します。
人材派遣会社の営業はきついけど楽しい仕事
人材派遣会社の営業は、新規開拓・深耕営業・面談同行・フォロー・事務作業と幅広い業務を担います。
1日のスケジュールは外回りが中心となり、企業と派遣社員の双方と信頼関係を築きながら進めていくのが特徴です。
一般的な流れはありますが、企業の状況や派遣社員のニーズによって業務内容は大きく変わります。
営業担当者にとって、臨機応変に対応しながら信頼を積み重ねる姿勢が大切です。
派遣営業の仕事はきつい面もありますが、その分「人と企業をつなぐ」やりがいを感じられる楽しい仕事ですよ。
▼人材派遣の営業で「新規開拓賞」「営業本部長賞」を受賞し、同期のなかで売上トップになれたときの「営業のコツ」はこちらの記事で解説しています。



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