「人材派遣の営業は、新規がなかなか取れない」「成果につながらずあせる」と感じていませんか。
私自身、大手で人材派遣の営業職を経験し、社内賞を受賞しましたが、その過程で同じように悩む時期もありました。
本記事では、人材派遣の営業のコツや、自分の体験談を紹介します。
企業や状況によって人材派遣の営業の進め方は異なるので、常にこのやり方で成果が上がると、いう正解はありませんが、事例のひとつとしてご覧いただけたら幸いです。
人材派遣会社の営業が成果を上げるコツ
人材派遣の営業が成果を上げるには幅広いスキルが求められます。
新規開拓で契約を獲得する力、既存取引先との関係性を深める姿勢、派遣社員のフォロー力など、営業に必要な視点は多岐にわたります。
ここでは、営業活動で意識すべき6つのコツを整理しました。
1. 企業の営業利益率などの業績を把握する
営業に行く前に、訪問先企業の会社概要や売上、営業利益率などの業績を確認しておくことは大切です。
企業が人材派遣を利用するには、コストがかかります。
コストを払えるほど、収益を上げている企業かどうかの確認は必要です。
売上高だけを見ても、「稼いでいる企業かどうか」は分かりません。
売上高が高くても営業利益が低ければ「効率よく稼げていない」可能性があります。
株式や土地を売って、業績を黒字化しているケースもあります。
資金に余裕のない企業の場合、派遣社員を継続的に活用する余裕がなく、仮に就業できても長期的に働き続けるのが難しいことも考えられます。
逆に、安定して利益を確保している企業であれば、派遣社員も安心して紹介できます。
そのため、訪問企業の業績についての確認は必須でした。
また、企業訪問の前にやっていたことは、訪問企業の雰囲気の下調べでした。
すでに他部署でその企業と取引している場合は、その担当者から訪問企業の雰囲気などを教えてもらうようにしていました。
企業によっては、独特の文化や風土があるため、事前に情報を得ておくとスムーズに営業が進みます。
2. 訪問件数を重ねて成果につなげる
「派遣営業は新規が取れない」と悩む場面は少なくないものです。
その場合、数をこなすことで成果につながることがあります。
もちろん、少ない訪問でも結果を出せる方もいますが、多くの企業と接点を持つことで契約のチャンスが広がりやすくなります。
私が営業で成果を上げられたのは、営業がうまかったからではなく、訪問件数が多かったからだと感じています。
さまざまな企業を訪問することで、自分と相性がいい企業に出会える確率は高まります。
企業の人事担当者にもいろいろなタイプがいます。
たとえば、
- 「営業担当は接客的に提案してリードしていってほしい」という受動的なタイプ
- 「自分の考えを話したい」という積極的なタイプ
営業担当者のスタイルによって、相性のいい相手は変わります。
ゴリゴリ提案型の営業であれば前者と相性がいいですし、大人しく聞き役にまわれるタイプであれば後者と相性がいいでしょう。
「契約が取れない。私ってだめなのかな…」と悩むことがあっても、その人がだめなのではなく、まだ相性のいい相手に出会っていないだけの可能性があります。
3. 明るく前向きに、エネルギーをもって仕事を楽しむ
企業に訪問するときは、明るく前向きな姿勢が大切です。
このような姿勢だと、「この営業を応援したい」とお客様から応援してもらえることがあります。
人材派遣の場合、実際に企業で働くのは派遣社員であり、営業担当者ではありません。
そのため、「どの派遣会社と契約しても大きな差はない」と考える企業もあります。
だからこそ、契約を受注できるかどうかは「この営業と契約したい」と思っていただけるかどうかにかかっています。
私も、なるべく明るく前向きな気持ちで働いていました。
イメージは、「いつもニコニコ、ハッピー、目一杯がんばるぞ」です(アホそうな表現ですが…幸せそうにしているっていうのは、営業にとって大切なスキルというか身だしなみというか姿勢だと感じています)。
ありがたいことに、ある企業の人事役員から「○○さんが営業に来ると、会社が明るくなるから、また来てほしい」と言っていただいたことがあります。
企業訪問の際、人事担当者だけでなく、通路ですれ違うほかの社員にも笑顔で会釈やあいさつをしていると、いい印象につながりやすいかもしれません。
4. 清潔感のある身だしなみで襟元を正す
第一印象の影響は想像以上に大きいものです。
清潔感のある身だしなみや整った姿勢は、言葉以上に「信頼できる人」という印象を与えます。
訪問先企業で受付する前に、次の点をチェックしてみてください。
- 髪の毛の乱れを直す
- 襟元を正す
- スーツやバッグのヨレを確認する
- メイクの崩れを確認する(とくにアイメイク)
身だしなみ・話し方・振る舞いをすべて完ぺきに整えることは理想ですが、現場では多少マニュアルから外れていても何とかなります。
私も基本的な身だしなみは気をつけていましたが、足元はスニーカーでした(飛び込み営業をするし、電車の乗り換えが面倒で1駅程度なら歩いていたので、ヒールは1ヶ月くらいで履きつぶして足にタコができてしまったからです)。
東証プライム上場企業や自社ビルを持っている大手企業などにも営業に行っていましたが、意外と、ちょっと枠にはまっていなくても世間は許容してくれます。
※ただし足元にスニーカーは一般的にビジネスシーンには合わないので、まずはヒールなどのフォーマルなシューズがおすすめです…!
5. 派遣社員とはフラットで話しやすい関係性をつくる
派遣社員とよりよい関係になるために、フラットで話しやすい関係性をつくることが大切です。
相談しやすい営業担当であることが、結果的に「困ったときにまず相談される人」につながり、信頼関係の土台になります。
派遣社員に連絡をする際は、できるだけこちらから電話するようにしていました。
SMSでやり取りする場合、何度もやり取りすると派遣社員の送信料がかさんでしまうので注意です。
6. 自社ならではの強みを伝える
人材派遣業界は同業他社が多いので、差別化は必須です。
自社独自の強みを伝えることで、競合他社との差が打ち出せます。
自社の強みが分からなかったら、上司に相談したり、先輩のテレアポのトーク内容を聞いたりしましょう。
それが難しい場合は、
- 自社はどの業界への派遣を得意としているか
- なぜその業界に強みをもっているか
といった視点で、自分なりに整理してみるのもおすすめです。
人材派遣の営業のトークスクリプト(テレアポの例文)
人材派遣の営業の営業電話のトークスクリプト(台本)はあらかじめ決めておくと、毎回悩まなくていいので楽です。
お客様に初めて営業電話する際の例文としては、次のようなものがあります。
「お世話になります。〇〇(社名)の○○(名前)と申します。弊社は〇〇(自社を一言で表す売り文句)で人材派遣業をしておりまして、一度〇〇様(担当者名)にご挨拶にうかがいたいのですが、ご都合いかがでしょうか」
このようなトークスクリプトを入り口に使い、あとは状況や相手の業界によって臨機応変に会話を進めていきます。
企業に訪問した際には、資料をもとに「自社の会社概要→サービス内容・強み→料金体系」と順を追って説明します。
これらは随時、お客様の状況をヒアリグしながら進めます。
何度か営業に行った後の電話では、社名と名前を名乗った後、
- 「よかったら挨拶に伺わせてください」⇒まだそんなに親しくないお客様に対して言うことが多い。様子をうかがいながら聞く感じ。
- 「貴社の近くまで伺う予定があるのですが、ご挨拶にお邪魔していいですか」⇒『うちに来ても仕事ないよ』というお客様に言うことが多い。『ついでに寄るだけだから、営業に行くわけではありませんよ、顔を見に行くだけですよ』の意をこめて言う。
- 「会いたいので、近々挨拶に伺っていいですか」⇒仲良くしてくださっているお客様に言うことが多い。直球。
といった内容のことを、言っていました。
営業のスタイルにもよりますが、淡々と話すのではなく、楽しそうにウキウキした感じで、「貴社に行きたい!」という、その会社に好印象をもっている気持ちで話すことがコツです。
トークスクリプトの文言も大切ですが、その裏にある感情を言葉に乗せることが大切です。
最初の段階では、お客様のほとんどが営業担当の話に興味はないし、自社の情報もあまり教えてくれません。
そのため、私は最初のころは時間の大半を関係ない話や雑談をして仲良くなることに割いていました。(訪問する際は1時間くらい商談時間をいただけることが多かったので、一通りの説明をしたら後は雑談くらいしか話すことがないというのもある)。
ビジネスの話は、距離が近くなってから少しずつ出てくる感じです。
一方で、初回訪問の日に、契約予定がない段階で押印済みの契約書を超大手企業からいただいた経験があります。
企業によって対応や方針は全く異なり、人と同じように企業にもそれぞれ個性があるんだなと感じ、とても勉強になりました。
人材派遣の新規営業のテレアポ
テレアポは断られることがほとんどで、精神的に負担を感じやすい業務です。
ただ、短時間で多くの企業にアプローチできる利点もあります。
また、入社の最初のころは仕事がないので、仕事をやっている感を出せる業務でもあります。
テレアポは真面目にやっていたら心が折れます。
いや、真面目に何十件も電話をかける必要があるのですが、相手から邪険に扱われても、それをまともに受け取めないことが大切だと感じています。
テレアポを受ける側のことを考えると、忙しい仕事中に営業電話を受けたらいらだつのは分かります。
テレアポはダメ元です。
ダメなら次です。ダメなのは自分のせいではないので、気にせず次にいきましょう。
人材派遣会社の営業に向いてる人
人材派遣営業の日々の業務は地道でタフさが求められる側面もあります。
ここでは、営業経験から感じた「向いてる人の特長」を紹介します。
メンタルが強く打たれ強い人
人材派遣の営業は、つらく感じる場面がどうしてもあります。
たとえば、テレアポや飛び込み営業で門前払いを受けることもあれば、派遣社員が急に出勤しなくなってお客様から怒られたり、逆に派遣社員から職場環境の不満を相談されたりすることもあります。
板挟みになることは珍しくなく、気持ちが沈む瞬間も多いですが、メンタルが強くて打たれ強い人は成果が出るまで続けられる傾向にあります。
私も落ち込むことは何度もありました。
お客様や派遣社員から怒られたりクレームが入ったりすることはありますが、よくしてくださるお客様や派遣社員もいます。
彼らを心の支えにして乗り切っていました。
ただ、どうしても仕事がつらい場合は、成果が出るまで耐え続けるばかりでなく、休む・部署異動を希望するなど、別の方法を考えるのもひとつです。
前向きでポジティブな雰囲気の人
営業担当者の雰囲気は、想像以上に相手に伝わります。
派遣先企業の担当者や、派遣社員の方々と接する際に、暗い態度や後ろ向きな言動をしてしまうと、不安を与えてしまうこともあります。
一方で、前向きで明るい人は「この人と話すと元気が出る」と思っていただけることが多く、関係づくりがスムーズに進みます。
人の話を聞くのが好きでニーズをくみ取れる人
人材派遣の営業は「人を相手にする仕事」そのものです。
企業からの要望や不満、派遣社員の悩みや希望を、じっくり聞き取りながら調整していく場面が多くあります。
自分の意見を押し付けるよりも、相手の話を引き出し、整理して返せる人は信頼されやすいです。
また、会話を通じてニーズやスキルをくみ取ることで「この企業が求めているのはこういう人材」「この派遣社員はこのような高いスキルをもっている」と見立てる力もしだいに身についていきます。
派遣営業が新規とれないと感じたときの工夫
人材派遣営業は、どれだけ頑張っても新規契約につながるわけではありません。
そんなときに意識したい工夫を紹介します。
1. 「タイミング」を意識する
企業が派遣社員を必要とする時期は予測が難しいものです。
新規営業で断られたからといって需要がないわけではなく、「今は必要ない」だけの可能性もあります。
訪問や電話を一定の間隔で継続し、必要なときに思い出してもらえる存在になることが大切です。
私は訪問した時に、これらのことが聞けそうなら聞いていました。
- 繁忙期
- 今後欠員の出そうな時期
- 突発的に人が必要になりそうな時期(イベントなどの開催予定など)
- 人がいなくて困ったシーン(決算時期など)
これらの情報をもとに、今後の営業計画が立てられます。
契約が取れなくても、会社にこのような情報を持って帰るだけで、上司からのお叱りが避けられます。
2. 「情報提供」で関係性を築く
いきなり「派遣社員を使いませんか」と切り出すよりも、業界動向や労務関連の最新情報など、相手に役立つ情報を提供する姿勢が信頼につながります。
「この営業は来るたびに有益な情報を持ってくる」と思ってもらえると、ニーズが発生したときに声をかけてもらいやすくなります。
土産話を1つ持参して営業に行くのが理想です。
3. 「紹介」や「つながり」を広げる
同じ業界の他社や知人からの紹介が突破口になることもあります。
自社の派遣社員や既存顧客に「知り合いの会社で人を探しているところはありませんか」と聞いてみるのもひとつの方法です。
現場からの紹介は信頼性が高いため、契約につながりやすい傾向があります。
4. 「ターゲットを見直す」
訪問先の業界や企業規模を見直すことで、新たな可能性が見つかることもあります。
大手企業だけでなく、中小や成長中のベンチャー企業にも人材ニーズは多くあります。幅を広げることが、新規開拓のきっかけになります。
5.肩の力を抜いてリラックスして営業する
派遣営業をしていると「新規が取れない」「断られてばかりでつらい」と感じることがあります。
そんなときこそ、気持ちを追い込みすぎず、肩の力を抜いて臨むことが大切です。
落ち着いて自然体で接すると、会話に余裕が生まれ、相手も安心して話をしてくれるようになります。
奥の手として私が実践していたのが、「もう辞めてやる戦法」です。
(※このやり方は、人によって合う・合わないがあるので、話半分で読んでください)
私の場合は、この考えに切り替えたら、不思議なほど契約がとれるようになりました。
「もう、この仕事もこの会社も辞めてやる」――そう割り切って働くのです。
すると、気持ちがふっきれて、緊張しなくなり、お客様に断られても、「そうですか~」と余裕をもって構えられるようになりました。
また、「こんなこと言ったら変に思われるかな?」と遠慮していた場面でも「まあいいか、どうせ辞めるし」と思えて、素直に自分の考えを伝えられるようになったのです。
その結果、なぜか契約が取れるようになりました。
割り切ってふっきることで、余計な力みや不安が消えたのだと感じています。
(気合を入れて働くタイプの方は、ちょっと力を抜くぐらいがちょうどいいのかもしれません)。
人材派遣の営業はやめとけ?
「大変だから人材派遣の営業はやめとけ」という声があるのも事実です。
企業と人とをつなぐ仕事である以上、双方向からのクレームを受けることがあります。
また、成果が数字で表れる分、プレッシャーを感じやすい仕事ですし、成果を上げてもまた次の成果を求められます。
しかし、経験を通じて営業力・課題解決力・コミュニケーション力が身につき、キャリアの幅を広げられる仕事でもあります。
人材派遣営業の年収や給料の目安
人材派遣の営業の年収は企業規模や地域によって異なります。
人材派遣会社の平均年収は400~500万円といわれています。
インセンティブ制度を設けている企業も多く、成果次第で収入アップを目指せます。
年収は本当に企業によってかなり異なります。
もっともらえる企業も多い印象です。
人材派遣営業の将来性
人材不足の社会背景もあり、派遣営業の需要は今後も一定数続くと考えられます。
業界は変化し続けていますが、営業経験で得られるスキルは他業界でも活かすことができます。
長期的なキャリア形成を見据えた上で、挑戦する価値のある仕事です。
派遣営業トップだったときに大事にしていたこと
人材派遣の営業の同期のなかでトップがとれたとき、特別なことをしたわけではなく、無我夢中でやっていたら、契約をいただける機会がぽつぽつと出てきた感じです。
「当たって砕けろ」「ダメでもともと」「うまくいったらラッキー」「楽しくお客様と会話しよう」という気持ちでいつもいました。
人材派遣の営業は決して楽な仕事ではありませんが、企業や派遣社員との出会いがあり、そこから学びもあるので、今この仕事に就いている方はこの機会を活かして得られるものを一つでも多く吸収していきましょう。
▼人材派遣の営業の仕事内容はこちらでくわしく解説しています。



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