40歳を過ぎて「正社員になれるのかな」「収入を上げたい」と感じる女性は多いです。
実は、40代で転職を成功させている女性は少なくありません。
厚生労働省の調査では、40代前半で転職後に賃金が上がった人は約43%にのぼり、賃金は変わらなかったと答えた人も31.2%います。
本記事では、40代女性の転職状況の実情や、収入、スキルなしでも挑戦できる職種を紹介します。
40代女性の転職が厳しい理由
40代の転職が「厳しい」といわれる背景には、次のような事情があります。
- 企業が「即戦力」「マネジメント経験者」を求める傾向が強い
- 未経験職種の場合、若年層を採用しやすい
- 年収を下げずに転職するのが難しい
ただし、このような事情があっても「難しい=不可能」ではありません。
現職の経験をどう活かすかを整理し、条件を柔軟にすることでチャンスは広がります。
一方で、「転職をやめたほうがいい人」には共通点があります。
- 現職でまだ実績を積めそうなのに、焦って辞めようとしている
- 転職理由が「不満だから」というだけで、「こうなりたい」という明確な目的がない
- ゆずれない条件が多く、応募先が限られてしまっている
- 未経験だけど、収入を下げられない状況
まずは「何を重視するか(収入・時間・やりがい)」を整理することが大切です。
40代女性の転職成功率と現実
実際、40代女性の転職活動はどれくらい行われているのでしょうか。
厚生労働省の調査によると、女性の転職入職率は40〜44歳で10.2%、45〜49歳で10.7%です(※2)。
つまり、約10人に1人以上の女性が40代で転職を成功させています。
一方、東京労働局によると、40代の有効求人倍率は0.9〜1.3倍前後で、34歳以下の1.55倍と比べて低いです(※3)。
有効求人倍率とは、求職者1人あたりに何件の求人があるかを示す指標です。
たとえば、有効求人倍率が1.0倍なら「求職者1人につき求人1件」あるという状況です。
1.5倍なら「求職者1人に対して1.5件の求人」。
つまり、数値が高いほど仕事が見つかりやすく、低いほど競争が激しい状況といえます。
このことから、34歳以下より、40代のほうが転職市場での競争が厳しくなりやすいことが分かります。
40代転職は氷河期の大卒並みの厳しさ
現在の40代女性の有効求人倍率(約0.9〜1.3倍)は、「就職氷河期の大卒の就活並み(0.9~1.1倍)」の厳しさともいえます。
当時の全体の有効求人倍率は 0.5倍前後で、求職者2人が1件の求人を奪い合うような時代でした。
つまり、今の40代転職は“氷河期よりはマシで、氷河期の新卒大学生並みの厳しさだが、決して楽ではない”といえます。
※2.参考:厚生労働省|3 転職入職者の状況.2025年10月
※3.参考:東京労働局|関東労働市場圏有効求人・有効求職 年齢別バランスシート(一般常用)令和7年9月.2025年10月
40代女性の収入アップは可能?
40代から転職して収入アップを実現している女性も多く存在します。
厚生労働省の「令和5年賃金構造基本統計調査」によると、
- 「40代前半で転職後に賃金が増加した人」は約43.3%。「変わらない」が31.2%、「減少」が24.8%
- 「40代後半で転職後に賃金が増加した人」は約41.7%。「変わらない」が24.5%、「減少」が33.1%
となっており、約半数近くが収入アップしています(※4)。
さらに、「賃金構造基本統計調査」によると、企業規模別の給与は下表のとおりです(※5)。
40~44歳の給与額
| 企業規模 | 係長級の給与 | 非役職の給与 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 380,800円 | 293,300円 |
| 100~999人 | 317,100円 | 271,800円 |
| 10~99人 | 303,400円 | 250,000円 |
45~49歳の給与額
| 企業規模 | 係長級の給与 | 非役職の給与 |
|---|---|---|
| 1,000人以上 | 368,400円 | 296,500円 |
| 100~999人 | 354,300円 | 270,700円 |
| 10~99人 | 314,400円 | 256,400円 |
40代は、課長や部長のような役職でなくても、給与は30万円前後ある状況です。
※参考4.政府統計の総合窓口|雇用動向調査.2025年10月
※参考5.政府統計の総合窓口|賃金構造基本統計調査.2025年10月
40歳の転職は女性の子持ちも可能
子育て中の40代女性でも、正社員を目指すことは十分に可能です。
近年では「子育て世代を応援する企業」も増えており、時短勤務や在宅勤務を取り入れる企業が多くなっています。
子育て中の人の転職先の選び方のポイントは以下の3つです。
- 勤務できる時間を考える(例:9〜16時など)
- 在宅勤務や時短制度のある企業を選ぶ
- 家庭と両立できる範囲で資格を取る(例:医療事務など)
たとえば、医療事務や経理などの仕事は「正社員」「子育て中歓迎」という求人も多く、育児と仕事を両立しながらキャリアを積める環境が整いつつあります。
転職で40代女性がスキルなしでもできる仕事
「資格もスキルもないけど、転職できる?」という不安も多く聞かれます。
結論からいえば、スキルがなくても挑戦できる仕事はあります。
- 事務
未経験可の求人も多く、ExcelやWordの基本操作を習得すれば応募可能。ただし、倍率は高め。 - 介護職
資格取得支援制度がある企業もあり、未経験からでも採用されやすい。 - 販売・受付・コールセンター
人あたりの良さや丁寧な言葉づかいが評価される職種。
「未経験OK」「研修あり」「正社員登用制度あり」といった条件を選ぶと、安定につながりやすくなります。
資格学校に通うと毎月10万円支給されるケースも
国は、資格取得の支援をしています。
雇用保険に加入していて、現在無職なら「教育訓練給付金制度」が使えます(※6)。
これは、厚生労働大臣が指定する教育訓練講座を修了するなどの各種条件を満たしたら、受講費用の最大50%(年間上限40万円)が給付され、資格試験に合格するなど条件を満たしたら、教育訓練経費の70%(年間上限56万円)まで支給されるものです。
ひとり親家庭なら、「高等職業訓練促進給付金」という制度があります。
指定された養成機関に通い、収入要件などの条件を満たしたら、就業期間中は毎月10万円支給されるケースがあります(※7)。
※6.参考:厚生労働省|教育訓練給付金
※7.参考:千葉市|高等職業訓練促進給付金
転職で女性40代が正社員で採用されるには
40代女性が正社員として採用されるケースでは、「経験」「安定感」「人柄」が重視される傾向があります。
企業が求めるのは「すぐに任せられる人材」「周囲と調和しながら働ける人」。
マネジメント経験がなくても、過去の職務での改善提案や、サポート役としての実績が評価されることもあります。
また、40代以降は「定着率」を重視する企業も多く、「家庭との両立を工夫しながら、長く働ける人」は正社員として採用されやすい傾向にあります。
採用担当者が見ているのは、「これまで何をしてきたか」よりも「これからどう働くか」。
そのため、志望動機や自己PRでは「今後どう貢献できるか」を具体的に伝えることが大切です。
採用担当者は素直な人柄かどうかもみている
私が企業の採用担当者と話していて感じたのは、大手企業出身や華やかなキャリアを持つ人ほど、少し警戒されてしまうことがあるという点です。
「仕事ができる」「経歴がすごい人」だからこそ、
- 前の会社のやり方を持ち込もうとするのではないか
- 小規模な組織では馴染めないのではないか
- うちみたいな小さな会社では、嫌にになって辞めてしまうのではないか
といった不安を採用側が感じているようでした。
「能ある鷹は爪を隠す」「実るほど頭が下がる稲穂かな」といいますが、優秀な人ほど素直な人柄を伝えるよう意識したほうがいいと感じています。
40代転職女性が正社員未経験で成功するポイント
転職で40代女性が未経験で目指す場合は、“活かせる経験”を具体的に伝えることがポイントになります。
たとえば、飲食・販売・保育など、応募業界と別の業界出身でも、
・コミュニケーション力
・段取り力
・クレーム対応の経験
などは事務職やカスタマーサポートでも高く評価されます。
自分の“再現性のある強み”を言語化することが成功のポイントです。
ポータブルスキルを棚卸ししよう
異業種でも使える持ち運びできるスキルは、ポータブルスキルとよばれています。
厚生労働省では、ポータブルスキルを「職種や業種を超えて発揮できる社会人基礎力」と定義しています。
おもな要素は、次のとおりです。
- 現状の把握(現状を把握するために情報収集をして適切に判断する)
- 課題の設定(適切な課題や目標を設定する)
- 社内対応(経営陣や同僚などとコミュニケーションをとって信頼関係が築ける
- 部下マネジメント(チームメンバーを育成するスキル)
未経験の業種に応募する場合は、こうしたスキルをもとに自分の強みを言語化すると伝わりやすくなります。
たとえば、自己PRの例文として、
- 未経験の業種に応募する際、「未経験の業種ですが、社内外のスタッフとコミュニケーションをとるのが得意で、社外の関係者からも『○○さんに任せていたら安心』というお褒めの言葉をいただいたことがあります」
- 「前職では、部下の育成や5人のメンバーのチームマネジメントを担当していました。その経験を活かして御社で貢献したいと考えています」
と伝えられます。
業務そのものは未経験でも、業務をするうえで必要な素地(基礎力)があることを伝えましょう。
40代女性が長く続けられる仕事(正社員)ランキング
40歳女性にとって、転職のゴールは「正社員になること」だけではなく、長く働き続けられる環境を得ることです。
以下は、40歳女性が無理なく続けやすい職種の一例をランキング形式でまとめました。
| 職種 | 特徴 |
|---|---|
| 1.事務 | ブランクがあっても復帰しやすく、在宅・時短対応の企業も増加中。 |
| 2.医療事務 | 資格取得で未経験からの転職が可能。 |
| 3.介護職 | 安定した需要がある。 |
| 4.カスタマーサポート | 丁寧な対応力や気配りが評価されやすい。 |
| 5.保険・不動産内勤営業 | 年齢よりも信頼感や安定感が重視される。 |
共通しているのは、「経験や人柄を活かせる」点です。
一度スキルを身につければ、50代以降も働き続けやすい分野です。
「事務」は在宅ワークの求人もある
事務の仕事は、企業によっては「オンライン秘書」というネーミングで募集されることもあります。
私自身、在宅で働く事務職の女性と同じチームで業務を進める機会がありますが、チャットワークやスラックというメッセージツールを使ってやり取りするケースが多いです。
チームメンバーのなかには、子育てをしながら働く方も多く、メッセージツールの名前の横に「○○(名前)子ども入学式のため13時まで不在」「○○子ども発熱。午前中病院」など状況を添えている方もいます。
ワーママが多い在宅チームの場合、お互い理解し合いながら業務を進める雰囲気があります。
在宅で事務職を探す場合、ランサーズやクラウドワークスなどの、クラウドソーシングサイトで「事務」「オンライン秘書」という検索ワードで探してみると、希望に合う求人が見つかるかもしれません。

転職は40代女性未経験もできる
40代女性の転職は、確かに簡単ではありません。
しかし、データを見ても分かる通り、年齢だけで不利になる時代ではなくなっています。
- 40代前半で賃金アップ:43.3%
- 女性の転職入職率:40〜44歳で11.4%
- 人気職種:事務
大切なのは、「何を強みにできるか」「どんな働き方を望むか」を明確にすること。
自分のキャリアを整理してから動けば、40代からでも新しい道は開けます。
40代女性の転職は“再スタート”ではなく、“キャリアの更新”。
これまで積み重ねてきた経験と素直さこそ、次の職場でいちばん評価される資産です。



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